呼吸器疾患患者さんが健康に過ごすために

息切れをコントロールしながら身体を動かし、
記録する習慣を身につけよう

 

東北大学環境・安全推進センター
東北大学大学院医学系研究科産業医学分野

教授 黒澤 一

 

歩数計を「身に付ける」だけ

体を動かすにはどんな運動がよいのか。私は「歩く」ことを皆さんに勧めています。いきなり毎日歩こうとする必要はなく、歩数計を体に付けて、毎日の活動量を維持することを目標にします。まず歩数計を毎日身に付ける、ただそれだけで、あとは普段通りに生活をしてみるだけで良いと思います。食事をしたり、トイレに行ったり、着替えをしたり、身の周りを片付けたり、庭木の手入れをしたり。私たちは何かしら体を動かしているので、その都度歩数計がカウントして、どれくらい体を動かしたかを数値で表してくれます。カウントは活動量の指標になるのですね。その数値を毎日記録します。これが大切です。
 
強調したいのは、歩数計を身に付けたら、記録だけをしてほしいということです。それだけで、仙台市呼吸健康教室でのこれまでの経験では、平均すると1000歩近くは増えるという結果が出ています。現状維持という方もいます。活動量が減らないようにするのが目的ですから、無理をしないで、歩数を増やすよりもまず歩数を記録し続けることがなによりも重要です。増やせる人は自然に増えていきます。記録していると、増えれば嬉しいので、だんだん増えるようになります。
 
いっぱいいっぱいの人はそれ以上増えないと思いますが、個人ごとに状況が違うので、それで良いのです。「数値が下がらないように」という気持ちが働くのが大事だと思います。歩数を記録して体調を管理しているといろいろなことが起きるでしょう。呼吸器の患者さんの体調には波があるもので、調子の良い日も悪い日もあります。調子が悪ければ無理をしない。普段1日4000歩の人が1000歩や2000歩になることもあると思います。大切なのは、その後調子が良くなったら以前の「普通通り」に戻すことです。
 

 

ストレッチで体の手入れをする

活動量を維持するとともに、体の手入れの仕方を覚えることも大事です。「手入れ」とはストレッチ、体操が基本です。胸や腹にはたくさんの関節があるので、柔らかくすると呼吸が軽く、楽になります。腹筋は息を吐く筋肉で、排泄をしたり、咳をしたりするときに非常に大事な筋肉です。仰向けになって首を上げたり、足を上げたりするだけで十分、腹筋運動になります。
 
大切なことは、筋肉を動かすときに息を止めないこと。常に吐きながら、または吸いながら筋肉を動かします。これは意識して行わないと、人は力を込めるとき無意識に息を止めてしまうため、血中の酸素が下がって具合がよくありません。ストレッチや筋肉のトレーニングは、息を止めず、息を吐きながらまたは吸いながらすることが大事です。日常生活が活動的になるということがすごく重要です。ライフスタイルを活動的にして、皆さんの生き甲斐ですとか趣味、楽しみを大切にしてほしいと思います。

 
せんだいTube・動画「呼吸器健康教室」
「呼吸器患者さんが健康に過ごすために」より抜粋
 
「呼吸器健康教室」:黒澤一教授が、仙台市と協力して長年実施されている「呼吸健康教室」の患者さんに向けた講話です。息切れをコントロールしながら身体を動かすことが呼吸器疾患患者さんにとっていかに大切かを呼吸の病気の基本とともに解説しています。

 

呼吸器疾患患者さんが健康に過ごすために

息切れをコントロール
しながら身体を動かし、
記録する習慣を身につけよう

東北大学環境・安全推進センター
東北大学大学院医学系研究科産業医学分野

教授 黒澤 一

 

 

歩数計を「身に付ける」だけ

体を動かすにはどんな運動がよいのか。私は「歩く」ことを皆さんに勧めています。いきなり毎日歩こうとする必要はなく、歩数計を体に付けて、毎日の活動量を維持することを目標にします。まず歩数計を毎日身に付ける、ただそれだけで、あとは普段通りに生活をしてみるだけで良いと思います。食事をしたり、トイレに行ったり、着替えをしたり、身の周りを片付けたり、庭木の手入れをしたり。私たちは何かしら体を動かしているので、その都度歩数計がカウントして、どれくらい体を動かしたかを数値で表してくれます。カウントは活動量の指標になるのですね。その数値を毎日記録します。これが大切です。
 
強調したいのは、歩数計を身に付けたら、記録だけをしてほしいということです。それだけで、仙台市呼吸健康教室でのこれまでの経験では、平均すると1000歩近くは増えるという結果が出ています。現状維持という方もいます。活動量が減らないようにするのが目的ですから、無理をしないで、歩数を増やすよりもまず歩数を記録し続けることがなによりも重要です。増やせる人は自然に増えていきます。記録していると、増えれば嬉しいので、だんだん増えるようになります。
 
いっぱいいっぱいの人はそれ以上増えないと思いますが、個人ごとに状況が違うので、それで良いのです。「数値が下がらないように」という気持ちが働くのが大事だと思います。歩数を記録して体調を管理しているといろいろなことが起きるでしょう。呼吸器の患者さんの体調には波があるもので、調子の良い日も悪い日もあります。調子が悪ければ無理をしない。普段1日4000歩の人が1000歩や2000歩になることもあると思います。大切なのは、その後調子が良くなったら以前の「普通通り」に戻すことです。
 

 

ストレッチで体の手入れをする

活動量を維持するとともに、体の手入れの仕方を覚えることも大事です。「手入れ」とはストレッチ、体操が基本です。胸や腹にはたくさんの関節があるので、柔らかくすると呼吸が軽く、楽になります。腹筋は息を吐く筋肉で、排泄をしたり、咳をしたりするときに非常に大事な筋肉です。仰向けになって首を上げたり、足を上げたりするだけで十分、腹筋運動になります。
 
大切なことは、筋肉を動かすときに息を止めないこと。常に吐きながら、または吸いながら筋肉を動かします。これは意識して行わないと、人は力を込めるとき無意識に息を止めてしまうため、血中の酸素が下がって具合がよくありません。ストレッチや筋肉のトレーニングは、息を止めず、息を吐きながらまたは吸いながらすることが大事です。日常生活が活動的になるということがすごく重要です。ライフスタイルを活動的にして、皆さんの生き甲斐ですとか趣味、楽しみを大切にしてほしいと思います。

 
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